何かと分かりにくい配管のサイズについて、なるべく簡単にご紹介します。配管の寸法でお困りの方や、日頃スッキリしないは思いつつも、そういうものだと思っている方は是非この機会にサクっと理解しちゃいましょう。
当サイトにも「配管 サイズ」や「配管 1/4」などの検索キーワードでたどり着く方が少なからずいらっしゃいます。単に「1 1/4」などという”いかにもなワード”も多いです。それだけ仕事中にちょこっと調べる方が多いのでしょう。
最後に、アプリを使った簡単な調べ方も紹介しています。まだアプリを使っていない、電卓で計算しているという方、是非ご一読を。
配管サイズの基礎知識
呼び径とは?
呼び径(よびけい)は、配管や継手のサイズを表すための名目上の数値です。実際の外径や内径とは異なる場合がありますが、配管や継手の互換性を確保するために使われます。たとえば呼び径「20A」のVP管といえば外径(パイプの外側表面の直径)が26mmの配管を意味します。何故20Aなのに20mmじゃないのか?に関しては後ほど説明します。
呼び径にはA呼称とB呼称があります。25Aや1Bなど呼称名を付けて表されることもあります。
- A呼称
- 現在主流の呼び方。JIS規格では基本的にこちらを使用。
- 塩ビ管などで広く使用される。
- メートル法に基づく
- B呼称
- アメリカの「NPS(Nominal Pipe Size)」に基づいて策定されている。
- 一部の海外製品や古い資料、特定の業界などで使用される。
- インチで表される
基本的にはA呼称ですが、鋼管では歴史的経緯からB呼称が今でも使用されて使われています(JIS規格ではA呼称とB呼称を併記)、地域差や業界にもよりますが、特に年配の方はB呼称を使うことが多かと思います。
呼び径と配管サイズの関係
混乱する理由
ここで「何故20Aなのに外径が20mmじゃないのか?」ですが、その理由は「呼び径の数字がパイプの内径を基準に割り当てられたから」です。例えばSGP管の1Bは内径が1インチだったそうです。
「1インチだった」…これが過去形なのは(クリックしてオープン)
残念ながら現在は当てはまらないからです。技術の進歩によって(と言ってもだいぶ昔と比較してですが)パイプの厚みは薄く均一に作られるようになりました。しかし外径を変えてしまうと従来の継手と互換性が無くなってしまうので、内径は呼び径の数字よりも大きくなっています。1インチは25.4mmですが、1Bの白ガス管の内径は28mm弱あります(スケジュール80管だと25mmになります)
という訳で呼び径の数字は外径とも内径とも違います。とは言え、内径が基準になっているというのは大体のサイズをイメージする上で役に立つのではないでしょうか。
呼び径と寸法の関係
ここで呼称の対応関係と俗称について説明します。下表はA呼称とB呼称の対応です。外径については塩ビ管(VP)と鋼管(SGP)を記載しました。同じ呼び径でも塩ビと鋼管で外径が微妙に違うのと、片方にしかないサイズがあることが分かるかと思います(表はJIS規格より)
B呼称は「分(ぶ)」で表すことがあります。分は尺貫法の単位(「一寸の虫にも五分の魂」の分ですね)で、1分(いちぶ)がおおよそ1/8インチです。同様に1/2Bは4/8インチなので4分(よんぶ)と呼ばれます。
A呼称 | B呼称 | 外径(VP) | 外径(SGP) | その他の表し方 |
---|---|---|---|---|
6 | 1/8 | – | 10.5mm | 1分(いちぶ) |
8 | 1/4 | – | 13.8mm | 2分(にぶ) |
10 | 3/8 | – | 17.3mm | 3分(さんぶ) |
13 | – | 18mm | – | |
15 | 1/2 | – | 21.7mm | 4分(よんぶ) |
16 | – | 22mm | – | |
20 | 3/4 | 26mm | 27.2mm | 6分(ろくぶ) |
25 | 1 | 32mm | 34mm | |
30 | – | 38mm | – | |
32 | 1 1/4 | – | 42.7mm | インチクォーター |
40 | 1 1/2 | 48mm | 48.6mm | インチはん |
50 | 2 | 60mm | 60.5mm | |
65 | 2 1/2 | 76mm | 76.3mm | にいはん |
75 | – | 89mm | – | |
80 | 3 | – | 89.1mm | |
90 | 3 1/2 | – | 101.6mm | |
100 | 4 | 114mm | 114.3mm | |
125 | 5 | 140mm | 139.8mm | |
150 | 6 | 165mm | 165.2mm | |
175 | 7 | – | 190.7mm | |
200 | 8 | 216mm | 216.3mm | |
225 | 9 | – | 241.8mm | |
250 | 10 | 267mm | 267.4mm | |
300 | 12 | 318mm | 318.5mm |
覚え方と調べ方
DVなどの塩ビ管はほぼA呼称のみ使われますが、鋼管は歴史的経緯からA呼称とB呼称の両方が使われます。特に現場の口頭ではA呼称とB呼称がケースバイケースで使われれるため、配管のサイズに加えA呼称とB呼称の対応関係を知る必要があるでしょう。
配管サイズの覚え方
まずは1B(1インチ)が25Aを覚えておきましょう。呼び径の刻みは最小で1/8単位です。2Bだとこれの倍、1 1/2Bだと1.5倍など、大まかな対応関係はイメージ出来ると思います。
しかしメートルとインチの換算自体が半端な関係(1インチ=25.4mm)なのと、A呼称自体が外径のサイズと結構ずれていることから、すっきりした対応関係にはなりません。最終的には頑張って丸暗記するか、割り切って都度調べるかアプリを使って楽しちゃいましょう!
調べ方
カタログや承認図を見る
メーカーが出しているカタログや承認図に各種寸法の情報が載っています。JIS等に準拠している情報は勿論、メーカー独自の継手やサイズも載っているため、普段使用しているメーカーのカタログ等はいつでも参照できるようにしておきましょう。
これらはネットで見ることが出来ますが、特に電子カタログは大きめの画面で見る前提で作られているものも多く、スマホでは使いづらい場合もあるので事前に確認しておきましょう。
JIS規格や協会規格については有料だったり取り寄せが必要だったりすることもあり、配管を組む立場の方には一般的ではないかも知れません。
アプリを使う
配管はかどるアプリ「配管Pipit」ではパイプカタログで呼び径毎の配管の外径を確認出来ます。JIS等の規格で使用されている呼称(塩ビ管/継手はA呼称、鋼管/ねじ継手はB呼称など)で表記していますが、鋼管については呼び径選択でA呼称も併記しています。

配管Pipitを使用すると配管サイズなどを簡単に確認することが出来ます。是非お試し下さい。無料で使用できます。
おまけ
JIS規格と承認図
配管や継手の基本的なサイズについてはJIS規格によって定められています。また、日本水道協会などの団体が定める規格もあります。これらで定められていないサイズについても、現場のニーズに合わせてメーカー独自の製品を提供している場合があります。

海外ではANSIやISOで定められており、JISでもISOの規格から準用しているものがあります。製品カタログなどでDV継手にエルボ(A形)などと書かれたものを目にしたことはあると思います。A形は日本で独自に規格化されたもので、現在一般的に使用されています。それに対してB形というものもJISで定めらており、こちらがISOを準用したものになります。
メーカーが出す承認図は、実際の製品の詳細な寸法や仕様を記載した図面です。
承認図は、規格範囲内での詳細な違いを示し、設計者や施工者が具体的に使用できるか確認するための資料です。JIS規格を基に作られた製品であっても、個々のメーカーの設計や製造プロセスにより、細かな寸法や形状が異なることがあります。JISで定められた寸法には準拠していますが、定められていない部分の寸法が書かれていたり、表示方法が違ったりします。また、JISで認められる誤差の範囲内で具体的な数字が違う場合があります。。